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近々、オトグス・ギャラリーがオープンします。 PART3


 

・ 近々、オトグス・ギャラリーがオープンします。 PART1 >>
・ 近々、オトグス・ギャラリーがオープンします。 PART2 >>
・ 近々、オトグス・ギャラリーがオープンします。 PART3 >>
・ 近々、オトグス・ギャラリーがオープンします。 PART4 >>
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 それでは具体的にオトグス・ギャラリーがどのように形づくられるかを見ていきます。
前回の『近々、オトグス・ギャラリーがオープンします。 PART2』で書きました下記のレピシ通りの構成で描き出されて行きます。
 

《アウラの創り方》
1. オリジナル
2.偽物
3.多少のひねり
 

 まずは<1. オリジナル>ですが、まさしく「作品」なり「人」なり、「オリジナル」の「もの」や「こと」を収める『器』を用意します。

 約13.5坪のスペースをお貸しします。マンション1階の角地で、道路に面した2面にあえて壁や窓などは設けずに半吹きさらし状態の<手付かず>のスペースとしました。しつこいようですが、よりコンセプトを明確にすべく「あえて」の<手付かず>の吹きさらしです。

次に<2. 偽物>ですが、こちらは再三お話しておりますヴァルター・ベンヤミンが「アウラの喪失」と嘆いてみせた複製技術である映像を、リアルタイムでネット上に配信できるシステムをご用意し、まさに「今、ここ」で起こっていることの『偽物』をご提供します。

そして、<1. オリジナル>と<2. 偽物>との絡みで、<3. 多少のひねり>です。このひねり方がオトグス・ギャラリーの生命線ですので詳しく掘り下げて見て行きます。
 


 

 まず、その発想の<触り>となるのが映像における下記の史実です。

《 単発の興行で終わったエジソンと、その後のデファクトスタンダードとなったリュミエール兄弟。》

 この人々の欲望の流れに裏打ちされた歴史的経緯が、『アウラ』の呼び込みを目差すオトグス・ギャラリーにとっては大いに参考になります。
前回にもお話した通り、当初の予定では『オトグス・ギャラリー』というベタな名前ではなく『オトグス・ターミナル』と名付けようと考えておりました。その思いの先にあったものというのが、ズバリ、かの有名なリュミエール兄弟の『ラ・シオタ駅への列車の到着』でした。
 

リュミエール兄弟 『ラ・シオタ駅への列車の到着』(1895)
 

 画面の右端から現れ、ホームに向かって対角線上を横切り画面左端へと突き抜けて停車する汽車と、その乗客と駅員たちとの動きを固定カメラで撮り収めた50秒ほどの記録映像がそれです。(YouTubeに動画がUPされています。 YouTubeへLINK

映画黎明期の当時の人々が、自らに向かって迫り来る汽車に思わずのけ反ったとの逸話が残る有名な1シーンですが、この<構図>が後のリュミエール兄弟の名声に大きく寄与したことは間違いありません。 
今以上に都市生活の<かなめ>として存在したであろう『駅』の、その出発点であり、終着点であり、人生のターニングポイントとなりえたであろうその『場』の威を借りて、後の『映画』=『物語』の祖形のような1シーンを構成して行きます。
<自らに向かいし汽車はどこから来て、また、どこへ向かおうとするのか。> <ホームで待つ人は?> <汽車から降り画面の隅へと消え行く人はどこへ向かおうとするのか> と、映像は見る者に様々な可能性を想起させ、そして、その動きは見る者の想いを様々な方向へと誘うのです。

そう、『物語』のはじまりです。

当初、この現実をリアルに切り取るために発明された映像が、その純然たる記録物としての使命を逸脱し、後の『映画』=『物語』の一大娯楽産業へと変貌をとげる兆しがこの1シーンの中にすでに内包されていたということです。この辺りがモンタージュの手法の先駆けとされる所以でもあります。

そこで先の 《 単発の興行で終わったエジソンと、その後のデファクトスタンダードとなったリュミエール兄弟。》 となります。

映画的機構の発明としてはエジソンが先でしたが、何ゆえ映画史としてはリュミエール兄弟なのでしょうか。フランス人の自己主張の強さがそうさせたのでしょうか、、、。いいえ違います。この『物語』の胎動をしかと感じさせる映像の産みの親として、その名を後世に残すこととなったのです。
 


 

 リュミエール兄弟の『シネマトグラフ』に先駆けてエジソンが発明した『キネトスコープ』。その最大の特徴はと言えば、何といっても1人覗き見みるというその形状にありました。
 

キネトスコープ Kinetoscope
 

 エジソン自らが先に発明し、当時すでに商業的にも成功を収めていた『フォノグラフ(蓄音機)』。その映像バージョンとしてキネトスコープは生み出されました。
下記の図をご覧ください。フォノグラフ本体の販売のみならず、さらなる集金システムとして硬貨の投入口を設けてイヤホーンで個々に録音物を聞かせるという『フォノグラフ・パーラー』なる遊興施設までもが各地で営まれ、それなりに利益も上げていたそうです。

Phonograph Parlors 蓄音機パーラー
 

 このビジネスモデルの成功がそのままキネトスコープの形状を決定したと言っても過言ではありません。実際にキネトスコープの収益システムも下図のようなパーラーでのものが主流だったようです。
 

向かって左側にフォノグラフ、右側にキネトスコープが置かれたパーラー
 

 ここが肝心なところです。当時の人々がそれらのメディアをどのように受け取ったかに想いを馳せてみてください。
まずフォノグラフからして、後の『ジュークボックス』のように音楽を楽しむというよりは、まるでその場に実在するかのようにしてイヤフォーン越しから聞こえてくる<人の声>そのものに驚き興じたといいます。
その発展系としてのキネトスコープです。この現実世界がスコープ越しにあたかも存在するかのような驚きを演出してみせる。それも<1コイン>で。エジソンの思惑はすべてこの一点に集約されます。


それは徹底したもので、素材選びからして当時の(現在も大体同じですが)興行的に人気を博していたサーカスの曲芸や、艶かしいダンスや、エキサイティングな格闘技などや、単純にキス・シーンなど<見て楽しい>あるいは<興奮する>などの情緒と確と結びついた対象を選りすぐり、その『身体』に確と刻み込まれた<高揚感>を仲立ちとして、より一層生々しくリアルに、この『現実』をスコープ越しの世界へとトレースしてみせようとしたのです。そのための撮影スタジオを自ら設立し、より完璧を期して。(YouTubeに一部動画がUPされています。 YouTubeへLINK

こう見てくると、リュミエール兄弟が「映画の父」と呼ばれうるならば、エジソンはさしずめ「バーチャルリアリティーの祖」であったと言えるのではなかろうかと思います。
大体その推移からしても同じ轍を踏んで行っているかのように見受けられます。医療における3D画像解析などを入れると話は別ですが、こと<身体感覚の延長>的発想の分野では随分と下火になりましたし、3Dテレビなどがいまいち売れないのも同じことだと思います。
単純に考えてみてください。今ある<感覚世界>を追認しているだけですので、慣れればすぐに飽きてしまうのは当たり前のことです。
 

キネトスコープ Kinetoscope
 

3D映像を楽しむ人々
 

バーチャルリアリティーに興じる女性
 

 ですから、一度に多くの人が観賞できるスクリーンへの投影システムの開発が遅れたことが、その後エジソンがこの分野で主導権を握れなかった主な原因であったと史実的にはそうなりますが、実際にはリュミエール兄弟のシネマトグラフに興業的に押されて劣勢にたたされるまでは、エジソン自身にしてみればその必要性すら感じていなかったのではなかろうかと思われます。
一説には、投影機の開発を打診されたエジソンが「一度に大勢の人に見せれば、それだけ早く飽きられるだけで、何のメリットもないではないか」と言って断わったという説もあります。
要は、このバーチャルリアリティーへと繋がる科学的好奇心と上記のビジネスモデルが先にありきです。

ちなみにその後、更なる五感の囲い込みを図ったエジソンはフォノグラフとキネトスコープを合体させた『キネトフォン』を生み出しますが、これが全く売れなかったそうです。
 

キネトフォン Kinetophone
 

より複雑化するバーチャルリアリティー装備

 

次回からいよいよオトグス・ギャラリー<ひねり>の本題へと向かいます。

 


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